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LDAP Conference 2015 参加のご報告


今回参加いたしましたLDAP Conference(以下、LDAPCon)とは、2年毎に開催される 国際カンファレンスです。
講演や論文発表、チュートリアル、懇親会を通してオープンソースのLDAP開発者同士の情報交換や人的交流が行われます。
  

5回目の開催となった LDAPCon2015 は11月11日から13日までの3日間、スコットランドのエディンバラ大学にて開催されました。
OSSTechはシルバースポンサーとなり、数名の社員も会議に参加、弊社濱野が「WiredTiger Backend for OpenLDAP」を発表いたしました。

日本からの参加はOSSTechだけだったため、日本国内の LDAP に関わる多くの方に LDAPCon の様子や熱気、最新情報などを報告させていただきます。

開催内容について

LDAPCon2015 はチュートリアルが1日、メインプログラムが2日、合わせて3日間に渡って開催されました。
全日程のプログラムは以下から見ることができます。
【LDAPCon 2015 Conference Programme】

1日目 チュートリアル


チュートリアルとは、メインプログラムに先立って行われる LDAP の基礎的な講習やハンズオンです。 また、扱われるテーマの難易度によってそれらのプログラムは Basic と Advanced に分かれ、Basic では LDAP 初心者向けのハンズオンが多くなっていました。

多くのハンズオンではクラウド上にハンズオン用の環境が用意されており、参加者は ssh クライアントで環境に接続してテーマ毎のエクササイズを行いました。


OSSTech メンバーは最初 Basic と Advanced に分かれて参加しました。
しかし、Basic が「ディレクトリとは何か」といった LDAP を全く知らない人に向けた内容から始まっため、途中から全員が Advanced に参加しました。
一方、Advanced は Apache Fortress と OpenLDAP を用いたアクセス制御環境の構築や python ベースの LDAP クライアント web2ldap の環境構築といった一歩進んだハンズオンで興味深かったです。

初めて触るソフトウェアもあって手間取ることもありましたが、参加者同士が互いに協力しながら進めました。
実際に「ssh が出来ないが、出来ましたか?」「今はどこまで進んだ?」「その資料はどこで見られる?」などの質問を近くの参加者から受ける場面があり、図らずもここで他の参加者と交流することが出来ました。

ただ、時間に比べて内容が充実していた分、ほとんどのハンズオンが途中で終わってしまったのは残念でした。

<OSSTech 技術部 飯野亨太>



2日目 メインプログラム

EEMA(European Electronic Messaging Association)のエグゼクティブプロデューサ David Goodman 氏による、「LDAP 2020: Paradise Lost or Regained?」という LDAP に対する危機感と展望を述べた刺激的な基調講演から始まりました。



LDAPCon2015 最初に行われた基調講演です。 LDAPCon2011 の時から登場している「Is LDAP Dead?」というフレーズがまた登場しました。

若い人材は NoSQL などの新しいソリューションに取り組むことが多かったり、アプリケーション開発者は LDAP プロトコルよりも JSON や XML などの API に期待していたりと、 LDAP に対する期待値は以前より低くなっていると言っていました。

しかし、先の問に対する答えは「No!」だそうです。
実装にもよりますが、 LDAP は認証に特化すればパフォーマンスの面でもスケーラビリティの面でも非常に優れています。今後も使われていくはずだ、とのことです。ただし、 LDAP 界隈でもチャレンジを続けていかなければならない、と言っていました。

私の感想ですが、確かに、 LDAP は今後も使われていくプロトコルだと思います。
しかし、 LDAP に関わるエンジニアは多くない印象です。もしかしたら、これから LDAP がわかるエンジニアは重宝されるのかもしれない、という淡い期待を抱いてしまいます。

<OSSTech 技術部 亀井裕>



3日目 メインプログラム


この日、弊社技術部の濱野がOpenLDAP のバックエンドに関する「WiredTiger Backend for OpenLDAP」を発表いたしました。

  

論文は以下です。
【WiredTiger Backend for OpenLDAP】論文
【WiredTiger Backend for OpenLDAP】発表スライド
LDAP性能測定ツール

※12月9日に開催されるオープンソースカンファレンス2015にて、弊社濱野が LDAPCon2015 で発表した
 「WiredTiger Backend for OpenLDAP」のセミナーを行います。是非ご参加下さい。
  『OpenLDAPを100倍速くする』@オープンソースカンファレンス2015



当日は雨が降りしきる悪天候でしたが、多くの方が発表を聴きに来てくださいました。
発表では、濱野が作成した LDAP ベンチマークツール lb も同時に紹介し、既存のベンチマークツールとの比較では会場が沸く場面もありました。
一部参加者には発表を Twitter で取り上げて頂いたり、手応えを感じられました。

<OSSTech 技術部 飯野亨太>



最後に OpenLDAP チーフアーキテクトの Howard Chu 氏による新しい OpenLDAPの新機能紹介と質疑応答が行われました。
メインプログラムでは多くの発表者が LDAP に関する発表を行いましたが、OpenID Connect の紹介といった LDAP に直接関係のないテーマでの発表もあり、広いテーマでの発表も可能です。



OpenLDAP のメインコミッターによる、 OpenLDAP 2.5 の新機能についてです。
新モジュールの追加や、パフォーマンスの改善がされたことなどが述べられていましたが、弊社の濱野が開発した back-wt も「What's new」に加えられていました。

加えて、現在進行中の取り組みについても述べていました。
特に気になるのが、ロギングについてです。「glibc syslog is braindead」と言っていたので、これから抜本的な修正が行われるのかもしれません。

私の感想ですが、 OpenLDAP はモジュールやオーバーレイ、バックエンドなどで、機能等をうまく分離する仕組みがあるため、今後もいろいろなモジュールやバックエンドが登場するかもしれない、と思いました。逆に言えば、それだけ拡張しやすいソフトウェアで、 OpenLDAP の開発にも貢献しやすいのかもしれません。

<OSSTech 技術部 亀井裕>



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