事例紹介

株式会社 高田工業所 様

グループウェアの更新に合わせ認証基盤をSamba 4へとバージョンアップわずか1日で移行し、最新のWindowsクライアントに対応

Samba

総合プラント建設会社として、製鉄や化学、エネルギーなど各種産業設備の設計、製作、建設、メンテナンスを行う高田工業所。同社で は、PCを使うユーザーが増えるとともに、Windowsサーバーへ接続するためのクライアント アクセス ライセンス(CAL)のコストが問題 となっていました。この問題に対応するため、同社はOSS(オープンソース・ソフトウェア)のサーバーソフトウェア製品「Samba 3」を自力 で導入したところ、時間がたつにつれ、新しいWindowsクライアントへ標準で対応できないという問題が浮上。そこで同社ではグルー プウェアを更新する際に、「Samba 3」から「4」へのバージョンアップを検討。前回は自力での移行で期間がかかったため、今回はオー プンソース・ソリューション・テクノロジ(以下、OSSTech)へ依頼し、わずか1日で新たな認証基盤へ移行することができました。

CALのコストを削減するためSamba 3を導入

1940年に創業以来、総合プラント建設会社 として化学、製鉄、石油・天然ガス、原子力、エ レクトロニクス、環境などさまざまな産業にお ける設備の設計、製作、建設、メンテナンスを 行ってきた高田工業所。最近では超音波カッ ティング装置や枚様式ウェット処理装置など、 エレクトロニクス関連の分野にも進出してお り、海外へも早くから展開してきました。同社 の大きな特徴は、何より人材を重視している こと。技能の習熟や伝承のためTAKADA研 修センターという教育訓練用施設を開設し たり、社内で技能オリンピックを開催したりす るなど、その育成へ熱心に取り組んでいます。

さて同社では1995~96年ごろに Windows NT 3.51を導入し、社内業務のIT 化に取り組んで来ました。この点について情 報システム部主管の本多一裕氏は「当初、仕 事でPCを使うのは一部の人間だけでした。 しかし2003、4年ごろから業務のIT化が進み、 一人1台の体制となりました。こうなるとIT関 連の導入・運用費用がかさみ、中でも問題と なったのがWindowsサーバーへ接続する際に かかるCALのコストでした」と振り返ります。

こうした状況を鑑み同社は、2005年にグルー プウェアを更新する際に、なんとかCALのコ ストを削減する方法を模索。システムの導入・ 運用などで付き合いのある新日鉄住金ソ リューションズに相談したところ、NTドメイン の代替手段として「Samba 3」を紹介されま した。SambaはWindowsのファイルサーバー 機能やドメインコントローラー機能、Windows GUIによる管理機能、名前解決機能などを提 供するサーバーソフトウェア製品で、オープン ソースのため、大幅なコスト削減が可能です。 その採用にあたって情報システム部長の中川 淳一氏は「なんといってもCALの費用がかか らないのが魅力ですね。オープンソースのソフ トウェアとはいえ、すでに他社での導入実績 もあり、特に不安はありませんでした」と述べ ています。

最新のOSに対応すべくSamba 4へのバージョンアップを決断

Samba 3を導入後、高田工業所ではNTモー ドでユーザーやPCのアカウントを管理し、問 題なく運用していました。しかし、時間の経過 とともに社内のPCが更新され、Windows 7 など新しいOSを搭載したPCもネットワーク へ入ってくるようになりました。 「PCがWindows 7以降のOSを搭載してい る場合、Samba 3で使うためにはレジストリ を変更する必要があります。つまり、新しい PCを導入するたびに作業を施さなくてはな りません。現在、当社で稼働しているPCの多 くはWindows 7で動いていますし、これから 新たに導入するPCのOSもWindows 8.1や 10になるはず。これでは手間がかかるばかり ですので、抜本的な対策が必要だと判断しま した」(中川氏)

そこで同社はSambaの最新版である 「Samba 4」へのバージョンアップを決めた わけですが、前回のSamba 3の導入は自社 で行ったためにNTドメインの移行が完全に できずID/パスワードの移行、マシンアカウ ントの再登録などを手作業で行うことになり、 結構な手間がかかってしまいました。 「当社にはSamba 3のNTドメインに参加して いる端末が約3000台あります。それをまた 一から登録するとなると、かなりの手間がか かってしまいます。OSSTech製Samba 4で あれば、ID/パスワードの移行、マシンアカウ ントの再登録不要でSamba 3のNTドメイン からSamba 4のADドメインへのバージョン アップが可能でした。もちろん、従来通りCAL のコストもかかりません」(本多氏)

2015年4月、ちょうどグループウェアが更新 するのに合わせ、同社はSambaを3から4へ とバージョンアップすることを決断しました。

検証期間を十分に取ることでわずか1日で移行を実現

さて実際に高田工業所で新しい認証基盤が 稼働したのは2016年5月30日のことでし た。Sambaのバージョンアップが決まってか ら実際の稼動まで1年以上が経過していま すが、これだけの時間がかかったのには理由 があります。 「当時は某グループウェアを使っていたので すが提供終了となり、リリース予定の後継製 品もなかなか出てこなかったのです。結局、そ のぶんだけSamba 4へのアップグレードも 遅れることになりました」(中川氏)

具体的なスケジュールは、2016年1月から 社内に検証環境を構築し、十分な時間を 使ってテストを実施。その結果、移行は僅か1 日で終了し、Samba 4を使った新しい認証 基盤が稼働しました。本多氏は「後継のグ ループウェアはリリース直後で、利用にあ たってはさまざまな懸念材料がありました。 しかし、オープンソースのエキスパートである OSSTechの手厚い支援もあり、その不安を 払拭することができました。おかげさまで、導 入からこれまで、大きなトラブルも無く安定し て動いています」と述べ、中川氏も「Samba 3を導入した際は、ユーザー自身にドメイン 参加してもらう作業があったため、朝から晩 まで問い合わせの電話が鳴り止みませんで した。しかし今回はそういった作業もなく、平 穏に移行することができました。これだけス 導入事例:株式会社 高田工業所様 ムーズに移行ができたのも、OSSTechのサ ポートがあったからですね」と満足そうに 語っています。

リプレースを機に他のシステムにもSamba 4の適用を検討

現在、高田工業所には個別で認証を行って いるシステムが存在していますが、これらが 古くなり、リプレースを行う時点で、Samba 4を適用し、認証基盤の一元化を検討してい るそうです。

また同社は、モバイル端末からシステムへの アクセス向上も視野に入れています。かねて から経営陣にタブレットを配付し、社外から のアクセスを可能にするなど、モバイル端末 の積極的な活用を推進していますが、この点 について中川氏は「今後はますますモバイル 端末を使う機会が増えていくと思いますの で、OSSTechにはさまざまな面からご協力 いただければ幸いです」と展望を語ってくれ ました。

今回の導入製品

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